保険を検討する方・保険代理店の方へ
2025.07.28
「代理店業務品質に関する評価指針(損害保険代理店向け)」への対応
(一財)保険代理店サービス品質管理機構 監事
認定経営革新等支援機関
のぞみ総合法律事務所
パートナー弁護士 吉田 桂公
MBA(経営修士)
CIA(公認内部監査人)CFE(公認不正検査士)
現在、日本損害保険協会のウェブサイトで、「代理店業務品質評価を行う業界共通の枠組み」と題するページが設けられ(https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/index.html)、以下の①~⑥の資料が掲載されています。
①「代理店業務品質に関する評価指針(損害保険代理店向け)」(本編)
https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/files/hyoka_shishin.pdf
②「代理店業務品質評価基準一覧(2025年度版)」
https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/files/hyoka_kijun.pdf
③「自己点検チェックシート(代理店用)【2025年度版】」
https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/files/checksheet_dairiten_2025.xlsx
④「自己点検チェックシート(募集人用)【2025年度版】」
https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/files/checksheet_boshunin_2025.xlsx
⑤「『自己点検チェックの取組み』の手引き(2025年度版)」
https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/files/check_guide_2025.pdf
⑥「本格運用に向けた今後の対応について~対応スケジュールとトライアル運用~」
https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/files/future_actions.pdf
この「代理店業務品質に関する評価指針」の策定にあたって設置された「代理店業務品質評価に関する第三者検討会」では、「生保の業務品質評価運営は、優れた代理店がお金を払って、優れているという認定をもらう仕組みであるのに対し、今回の損保の場合は、品質の劣る代理店を市場から排除し、損害保険市場の健全な発展と利用者保護を図ることを目的としている。そのため、今度の損保の検討と生保の場合とは似て非なるものと心すべき。こちらでは、最低限満たすべきミニマム基準(ルール)を定め、絶対にクリアしていただくことを主眼とすべき。よって、規模に関係なく、全ての代理店を対象とすべきである」(「代理店業務品質評価に関する第三者検討会(第1回)議事概要」。下線部筆者)との厳しい指摘もなされていますが、この評価指針は、約15万店存在する全損保代理店に適用される共通の基準とされています。
この評価指針は、損保代理店において「最低限必要な業務品質が確保されているかを判定できるようなもの」であり(評価指針 p5)、代理店手数料ポイント制度との連動も想定されています(同 p5。つまり、この評価指針をクリアできなければ、代理店手数料ポイントを減らされる可能性があります。)。
この評価指針に基づく業務品質評価運営は、2026年4月からの本格運用が予定されています。各損保代理店は、その本格運用までに、「自己点検チェックシート(代理店用)【2025年度版】」と「自己点検チェックシート(募集人用)【2025年度版】」を用いて、自己点検チェックを進めてください(なお、「自己点検チェックシート(代理店用)【2025年度版】」は171項目、「自己点検チェックシート(募集人用)【2025年度版】」は70項目もあります。)。できていない項目については、2026年4月の本格運用までに改善を行う必要があります。その時間も考えると、待ったなしの状況といえますので、是非、自己点検チェックに積極的に取り組んでいただければと存じます。